2016.09.21 (Wed)

映画「秘密」 感想―最後に

映画の感想、やっと終わります。


長い間ありがとうございました。


最後に、大友監督次回作「ミュージアム」について、少しコメントしています。


よろしければ、以下どうぞ。


【More】


**************************




全体を通して

 
 結局、テーマが散漫でぼやけてしまっているように感じます。

 映画の、一番大きなテーマは、「脳を見る是非」「人の秘密を知る是非」なんでしょうけれど、これ、単に善悪、良し悪し、で判断できることではないんですよね。
 そして大友監督がいうほど、人は「他者の秘密・脳を見たい」とは思っていないんじゃないかと思います。
 どんなふうに見ていたのか、思っていたのか、それを知りたいのかな?

 有名人とか、いじめられていた子とかスキャンダラスである意味残虐なひどいことをされた人のことは、どんなことをされたのか、どんなものを見ていたのかという、「ひどいわね」といいながら、好奇心で見て晒し者にするでしょう。

 そう、週刊誌の内容をビジュアル化した感じで。

 あれだけスキャンダルを売り物にした、週刊誌、TVが見られるというのは、そいういう好奇心が世の中に溢れているからだということは、現実なんでしょう。

 しかし、映画も、原作も(1作目の大統領の話はこれだけれど)、脳を見ることでスキャンダルが暴かれるわけでもない。
 
 じゃあ、何が、そんなに「脳を見ることはいけないことなのか」。

 「見た脳に影響を受けて引き込まれるから?」
 「感情的にしんどいから?」
 「たまたま脳を見られたら、自分の悪事が映っていて生活が脅かされるから?」
 「真実が分からなくても、それでうまく収まっていたことが真実が分かったことで崩壊するから?」
 
 この映画での「脳を見たらいけない」という、意見(大友監督的見解)がはっきりわからない。

 逆に、「脳を見てよかったこと」は?
 
 それもはっきりしない。

 だって「一家惨殺事件の真犯人を見つける」ことはできたが、それが知りたかった本来のことではないし、それによって、真犯人(絹子)を捕まえられるわけでもない。
 映画では、ジョンの映像だって白骨が転がっているところに、平井少年を連れて行っただけ。絹子と関係があって行方不明者になっていることを暗示するものは何も映っていない。(原作だと白骨の下にパーカーがある)

 「鈴木さんが薪さんを守ろうとしていた」
 う~ん、あの映画じゃ、わかりにくいよねぇ。なんで、どうやって、守りたかったの?
 貝沼の脳さえ見せなければ、薪さんは守れたの?

 薪さんが、貝沼の独白を一人で見てひとりで解決できたこと?(妙に一人すっきりしちゃった薪さん…)


 そんなメインテーマもはっきりしない中、絹子や貝沼、真鍋刑事まであれこれ出てきちゃって、どこを見ればいいのか。

 最後は、「美しい世界がある」、じゃあ、何を考えて、何を思えばいいのか。


 だから、そんなに、重いことやらなきゃよかったんじゃないかな。

 もっと、脳内映像を生かしたエンターテイメントのサスペンスにして、キャラもはっきりさせて、分かりやすく作ったほうが、かえって見た人はいろいろ考えたんじゃないかな、映画だから。
 そこは個々人のペースで進められる漫画と、映画の媒体の違いなのだから。

 映像や俳優、公開方法、が一般映画向けなのに、内容を無理にミニシアター系しようとして(でも出来ていない…)、失敗したという印象です。


 原作への理解はどうであれ、映画として成功させるには、映画の方向性をはっきりさせることが何より大事なのだなと、改めて思いました。



大友監督次回作「ミュージアム」について

 で、意外かもしれませんが、大友監督の次回作「ミュージアム」これは上手くいくんじゃないでしょうか。

 原作も短く(コミックスは3巻出ていますが、他の話も入っているので実質2巻分しかありません)、猟奇的なリンチ事件があってそれを追っていく刑事の話。
 刑事が自分の家族も人質に取られ、事件の捜査から外され、自ら一人で事件を追っていく…
 という内容なので、最初が結構ショッキングな場面が多く、そこから刑事が事件を明かしていく。

 半分くらいで犯人の目処もつくし、原作通りの流れでやっていけば、深いテーマもないの(わけじゃないんだろうけど)で、「見せる」エンターテイメント映画としてはわかりやすくていいんじゃないでしょうか。

 逆にあまり失敗する要素がないです。失敗したら、よほどストーリーを改変するか、俳優さんがダメかのどちらかしか考えられないくらいです。
 
 なので、原作を読んだことがあれば、映画としてわざわざ見たいとは思わないかな。
 変わりそうなところも、映像として面白そうなところも特になく、心理戦、とか心理描写とかもまあ雑でもいけますから。
 気になる方は映画を観るより、レンタルコミックスをお勧めいたします…
 (作者さんには申し訳ないですが、私個人の感想としては買って何度も読み返したいほどの漫画ではないです。)



 以上、グダグダの映画感想&次回作コメントでした。


 長らくのお付き合いありがとうございました。


タグ : 秘密 映画

21:17  |  映画「秘密」  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

Re: タイトルなし

ゆけさん

> ミュージアム!
>
> は…、映画化決まって、1巻無料になった時に読んでみたんです(^^)
> で、続きが特に気にならなかったので続きは買ってないという…;;;( ̄▽ ̄);;; ←じゃあ黙ってて。

1巻目は面白かったですよ、普通に。←出た、普通に(笑)
私はねー、いつものレンタルなんですよ、だから10冊まとめて借りるんです。
短めの話なら全部、長いものならとりあえず、3冊くらい借りて読むんです。
なので、ミュージアムは全部読みました。
私の感想は、最初は面白かったけれど犯人が分かってきて失速した感じがするんで、そこをどう映画化して最後まで惹きつけるかな、見せ方によっては原作より緊迫感が出て面白いかもしれない。

それが、できているかどうかはわかりませんけど。

短めストーリーで、最初にいくつか事件があって惹きつける。
後半は、犯人を推理していって絞り込み、犯人と対峙していく。

という、王道のストーリーなので、あのままやれば失敗のしようがないと思うんです。
ただ、どう見せて、最後まで緊迫感高めて持っていけるか、面白くできるか、そこは監督次第だなと思います。

> 映画化が決まって原作を読むことはあっても、映画を観るところまではなかなかいかないので、私にとって映画化って原作の宣伝でしかないんですよね(笑)
> 映画化されるほどおもしろい原作なんだね、じゃあ読んでみるよありがとう。っていうのでここまで来てしまった…orz;; (むしろ原作付きじゃないのは観たくなる…)

そうですね、私も映画を自由に見に行けるわけではないので、映画化は原作を読んでみようかなという選ぶのに役立っている感じです。で、結局原作を読んだらそれだけでいいや、ってなってしまう。
原作がないほうが、映画そのものが楽しめるんですけれど、最近の日本映画、ないですねぇ。寂しい。

> 大友監督は、細かい心理描写が必要なく単純明快なやつか、ビジネスマンの男の世界とかをやっとけば、その層には需要があるんじゃないですか…?
> 心理戦とか感動とかはもう絶対ダメっぽい!(笑);; ←ライオンは…?;; (いやもうそれは苦手でも気合いでなんとかして!!)

なんだろう、上手くはまるヤツとハマらないヤツの落差が激しいのかもしれないです。
基本、大友監督の作品の脚本はアレコレ言われているみたい…(笑)ので、やっぱりテレビ的なエンタメのほうが(プラスアクションや映像的なもの)批判はあっても、面白かったってなりそうな気がします。

ライオン…
清水先生に続いて羽海野先生もかぁ…今頃どう思っているのか。
原作ファンが多いだけにこれまた、評価は相当辛口だと思いますんで、頑張って!ですね。。。

> 今頃ですいません、気がついたらけっこう日がたってました…。

いえいえ、更新も滞ってるのに、ありがとうございます。
ヤマネ | 2016年09月29日(木) 19:20 | URL | コメント編集

ミュージアム!

は…、映画化決まって、1巻無料になった時に読んでみたんです(^^)
で、続きが特に気にならなかったので続きは買ってないという…;;;( ̄▽ ̄);;; ←じゃあ黙ってて。
ヤマネさん、めっちゃいろいろ読んでる!!さすが。

でもそうですよね、確かに失敗する要素がないっていうの、私も思ったかもです。
割とこのまんま映画になるんだろーなーって。
(映像まだ見てませんがカエルとかきっとめっちゃやりやすい…)
イコール成功かと言われればなんとも言えませんが…。

映画化が決まって原作を読むことはあっても、映画を観るところまではなかなかいかないので、私にとって映画化って原作の宣伝でしかないんですよね(笑)
映画化されるほどおもしろい原作なんだね、じゃあ読んでみるよありがとう。っていうのでここまで来てしまった…orz;; (むしろ原作付きじゃないのは観たくなる…)
いやっ でも言うほど本読んでないんですけど( ̄▽ ̄) (どっちやねん!)

大友監督は、細かい心理描写が必要なく単純明快なやつか、ビジネスマンの男の世界とかをやっとけば、その層には需要があるんじゃないですか…?
心理戦とか感動とかはもう絶対ダメっぽい!(笑);; ←ライオンは…?;; (いやもうそれは苦手でも気合いでなんとかして!!)

今頃ですいません、気がついたらけっこう日がたってました…。
ゆけ | 2016年09月28日(水) 23:28 | URL | コメント編集

Re: お疲れさまでした

鍵コメさま

お返事遅くなりまして、すみません。

「アクの強いファン」(笑)
でも、そうなんでしょうねぇ。
ちょっと履き違えというか、もちろん映像商品の価値として原作は見たんでしょうけれど、自己解釈というより、自分のやりたいこと(思い付き…)をこの作品にあれこれ詰め込み過ぎて、それが「秘密」の作品とは合っていないのに、自己満足しちゃった感じですね。

でも、やはり、私を含め、原作のファンがこれほど増えたのは、映画化、という宣伝によるものだというのは確かなんだと思います。

次の「ミュージアム」もそうですけれど、私のように、映像化というのを知って、原作だけ読む(漫画だけじゃなくて)というひともまた沢山いるのも事実です。
映画だけで「秘密」のイメージを持つ人もいれば、映画を見ずに原作だけ読んだ人もたくさんいて、清水先生のファンになった人もきっといる。
そう思えば、功罪はあるものの、映画化そのものは、原作にプラスになったこと(主に宣伝として)のほうが大きいと思います。
だから私個人としては、駄作だったかもしれませんが、何百万部、何千万部と売れている漫画ではない、この「秘密」に関しては映画化そのものは否定しません。

「ミュージアム」ねぇ、なんであんなにアクションシーンを強調するんだろう(笑)

ああいう、個人的な理不尽な殺人を犯すというのも、倫理的にどうとか、逆に殺人犯にも同情とかを求めないさらっと流してしまう映画にはアリな題材だと思うんです。
怖いもの見たさ、みたいなエンタメとして。

あれを妙に現在の理不尽に起きる殺人、倫理観の欠如、コミュニケーションの大事さ、みたいなことに広げちゃうとちょっと違うかなと思います。
それをやるなら、現実の事件のほうがよっぽどエグくて、理不尽だと思うんで。
あまり刑事の道徳感、家族や人間関係の心理とかそこが描けるなら、それはそれでいいんですけど、またどっちつかづになっちゃうと思うので(←ヒドイ)、普通にやれば外さないんですけど。
それを外してくれるなら、それはそれで別の意味でどんな作品になるのか期待してみたいです。お金は払う気はしないけど(笑)

読むのはレンタルでいいと思います。殺し方がグロなんですけど、青年誌的な画のきれいさはあります(GANTZとか)。
でも、清水先生的な、”美”的ではないです。
たぶん、殺人の仕方の発想がグロい、そんな気がします。
「秘密」は読めても、これはイヤ、っていう人もいるかもしれませんが、たぶんいろいろ読まれてますよね、大丈夫だと思います。

今週はこんなお天気ですけど、少しずつ、更新するようにしていきたいんですけど、体調次第で、すみません。
いつもお気遣いありがとうございます。
ヤマネ | 2016年09月26日(月) 18:42 | URL | コメント編集

Re: お疲れ様でした~(*≧∀≦*)

なみたろうさん

ごめんなさい、本当にお返事遅くなりました。

> ボロカスですね!!(ほめてます)(°▽°)

あは…
「面白かった」とか、「50点」とかいう割に、結局物凄い、他の方の感想はこれから読むのですけれど、ヒドイ辛口になっていたような気が…とさんざん書いておきながら、今更書き過ぎたことを若干反省しています←本当だって!

> いやはや駄作になっちゃいましたね。
> うん、作品自体は映像とか俳優さんとかいいところもあったちゃあったんですけどね、監督の語った内容がクソすぎて。呆れてもう。

そうそう、もしかしたらですけれど、監督があまり語らなかったほうがよかったのかもしれないと私も思います。
皆が分からない、っていうからあれこれ話し出しちゃったんでしょうけれど、結果「監督自身がなんだよくわかってないんじゃね」、「何がやりたかったのか」とか、「心の通ったものが何もなかったの?」という感じがしちゃったんですよね。

「秘密」ってたぶん、誰が監督で作ってももともと難しい作品じゃないかと思います。
だからよっぽど読み込んで、誰の立場で、どの観点(主張)でというのをはっきり決めて、ミニシアター系でいくか、エンタメ系でいくか、絞ればもう少し変わったと思いますね。

題材としてはすごく面白いから、こうして映画化されたり過去にアニメ化されたり、誰もが本来惹かれるような作品なんだと思います。ただ、本当に難しいから、やっぱり失敗してしまう。

改めて、原作が異例のものなんだと思いました。

> 付け加えさせていただくと、次回作も無駄に付け足したり変えたりして台無しにする可能性アリと、なみたろうは思います。
> だってだってもう。俺流貫きたいらしいから!(爆)

はは。
たぶん、この次回作の「ミュージアム」の構想も頭にあったから、「秘密」も影響受けちゃったんだろうなという気がします。
アクションシーン盛りだくさんみたいですねぇ…なんでだろう…
「ミュージアム」でストーリーとか、わかりにくいとかそんな理由で失敗したら、もう監督としてどうだろう…となるような、余計な心配を感じます。

そうそう、煽りが「あなたは最悪のラストを期待する」ってさ。いやいや、そんなマンガじゃないよ(笑)


> もう原作の宣伝してくれて、薪さんが超絶イケメンてことだけ世間に広めてくれてありがとねー(°▽°)、と忘れます!

今まで、ジェッツコミックスだったときは超大型本でなかなか人目に触れなかったのが、新装版になって人目に触れて買いやすくなったのもよかったと思います。
マニアにはあの、お値段が張って場所もとっても大きくてカラーも大きくて見やすい、ジェッツ版よかったんですけど、あれじゃ置く店が限られちゃうから。
レンタルも好評!なのか、結構いつも借りられてます。これだって少しは清水先生のところにも入るし。

映画の内容はどうであれ、原作の宣伝媒体としては”有名監督””人気俳優”で、宣伝になってよかったと思います。
どんなにいい映画でも、やっぱり、あまり宣伝されないようだと、原作もそれほど知られることがなかったと思いますから。

どちらかというと、今は、生田くんとか岡田くんがかわいそうな気がします。
沢山宣伝して、有名監督でやったのに、興行的に伸び悩み(まあ爆死なんだけど)、内容的に評価が低くて。

> ところで体調、いかがですか?
> 寒暖差激しいですからね、どうかお大事に。

ありがとうございます。
ちょっと今ひとつで。
エビオス錠、懐かしい。不妊にいいと言われて飲んでたことありますよ。ふふふ。
ヤマネ | 2016年09月26日(月) 18:16 | URL | コメント編集

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 | 2016年09月23日(金) 19:21 |  | コメント編集

お疲れ様でした~(*≧∀≦*)

ヤマネさん…

ボロカスですね!!(ほめてます)(°▽°)

いやはや駄作になっちゃいましたね。
うん、作品自体は映像とか俳優さんとかいいところもあったちゃあったんですけどね、監督の語った内容がクソすぎて。呆れてもう。
付け加えさせていただくと、次回作も無駄に付け足したり変えたりして台無しにする可能性アリと、なみたろうは思います。
だってだってもう。俺流貫きたいらしいから!(爆)

もう原作の宣伝してくれて、薪さんが超絶イケメンてことだけ世間に広めてくれてありがとねー(°▽°)、と忘れます!

ところで体調、いかがですか?
寒暖差激しいですからね、どうかお大事に。
なみたろう | 2016年09月22日(木) 21:44 | URL | コメント編集

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